本来「マッサージ」という言葉は、国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」によるものと定義されていて、あん摩マッサージ指圧師のみがマッサージという言葉を屋号に使用することを許可されています。マッサージの健康保険対象は筋麻痺・関節拘縮の症状による治療です。具体的には、骨折や手術後の障害や脳梗塞などの後遺症といった脳血管障害、関節が硬くて動かない(動きが悪い)、筋肉が麻痺して自由に動けない…などが当てはまります。施術を受けるにあたり、あらかじめ医師の同意書または診断書が必要になります。

あん摩マッサージ指圧師の限られた処置のみが保険適用となり、単に疲労回復や疾病予防のためのマッサージなどは適用対象外と覚えておくと良いでしょう。自分が受けたい施術内容が保険適用の対象となるか、気になる場合は事前に確認することをおすすめします。

整骨院と接骨院は名称が異なるのみで内容に違いはありません。

《整骨院、接骨院》
主に交通事故や労災などの外傷に対して処置を加える場所で、国家資格である柔道整復師のみが処置を行うことができます。骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷に対しての処置には保険が適用されます。ただし、慢性的な腰痛・肩こりや骨盤矯正などに対しての保険適用はありませんのでご注意ください。

《整体院》
「整体」とは、独自の施術を通じて関節や骨格のずれ・歪みを矯正したり、筋肉をほぐしたりして体のバランスを整える行為です。整体院では肩こり・腰痛といった慢性の痛みの緩和やリラクゼーション効果が期待できます。施術者に義務付けられた資格は特になく、保険適用はありません。決められた枠組みがあるわけではないので施術内容も整体院ごとに異なり、美容効果・癒しに特化したもの、慢性的な不調の改善に特化したものなど多岐にわたります。

体には血液のようにリンパ液が流れていて、老廃物や余分な水分などを運んだのちに全身で約800ほどあるリンパ節でろ過しています。常に循環している血液とは異なり、リンパは筋肉の収縮と弛緩によって流れているため、体を動かさないと徐々に流れが滞ります。老廃物がうまく排出されなくなると、むくみや冷え性、肩こり、腰痛、肌トラブル、疲れが取れない、自律神経の乱れといった様々な不調を引き起こすだけでなく、免疫力が低下して風邪をひきやすくなったりアレルギーが出やすい状態へとつながっていきます。また、「セルライト」も溜まった老廃物と脂肪が合体してできるものなのです。

これらは運動不足を解消することで改善が見込めますが、運動が苦手な方や時間の取れない方にはリンパが流れやすくなるようにマッサージを行うという方法があります。リンパがスムーズに流れるようになると、不調の改善だけでなく、むくみが取れて小顔や美脚、痩身など美容効果も期待できますよ。

※効果の感じ方には個人差があります。

サロンによって「リンパ流し」「リンパマッサージ」「リンパドレナージュ」など呼び方が異なりますが、リンパの循環を促す手技を施す点は共通です。サロンで全身をマッサージしてもらうのも気持ち良いですが、大切なのは継続して改善すること。自分で簡単にできるマッサージもあるので、プロの技術とアドバイスを活用して健康でステキな身体づくりを目指しましょう。

カイロプラクティックとは、19世紀の終わりにアメリカで考案された脊椎矯正の手技療法で、ギリシャ語でカイロは「手」を、プラクティックは「技術」を指しています。

内臓をはじめとした様々な身体の不調が背骨の歪みによって正常な神経の流れが乱れることに起因するという考えのもと、骨格を矯正して健康な状態に戻すことで症状を根本から取り除くことを目的としています。

日本では公的な資格は存在せず、誰でもカイロプラクター(カイロプラクティックの施術者)を名乗ることができます。一方、民間資格や取得のためのスクールも複数存在しており、知識や技術を習得するために研鑽を積んでいる方も多くいます。